情報商材の返金を求める方法
情報商材・副業・投資の勧誘で支払ったお金を取り戻すために使える制度と、相談先をまとめました。制度ごとに期限があるため、できるだけ早く動くことが大切です。
1. まず証拠を残す
返金を求めるときは、どのような説明を受けて、いくら支払ったかを示す資料が重要です。消されてしまう前に保存しておきましょう。
- きっかけになった広告・SNS投稿・ウェブサイトの画面(スクリーンショット、URL)
- LINE・メール・DMのやりとり、ビデオ通話で説明された内容のメモ(日時・相手の名前)
- 契約書面・申込画面・利用規約、事業者の名称・住所・電話番号
- 振込の控え、クレジットカードの利用明細、借入れの契約書
2. どうやって勧誘されたかを確認する
特定商取引法では、勧誘の方法(取引の類型)によって使える制度が変わります。
- 電話勧誘販売:事業者から電話がかかってきた、またはSNS・広告をきっかけに電話やビデオ通話で勧誘されて契約した。
- 訪問販売:喫茶店やセミナー会場などに呼び出されて勧誘され、その場で契約した。
- 業務提供誘引販売取引:「仕事を紹介するので収入が得られる」と誘われ、そのために必要だとしてマニュアル・ツール・サポートなどを購入した。
- 連鎖販売取引:「人を紹介すれば報酬が得られる」と誘われ、商品や入会金を支払った(マルチ商法)。
- 通信販売:ネット広告を見て、自分でウェブサイトから申し込んだ。
3. クーリング・オフ
一定の期間内であれば、理由を問わず契約を解除し、支払ったお金を返してもらえる制度です。期間は、法律で定められた契約書面を受け取った日から数えます。
| 電話勧誘販売・訪問販売 | 8日間 |
|---|---|
| 業務提供誘引販売取引・連鎖販売取引 | 20日間 |
| 通信販売 | クーリング・オフの制度はありません(返品のルールは事業者の定めによります) |
- 契約書面を受け取っていない、書面の記載に不備がある場合は、期間を過ぎていてもクーリング・オフできる可能性があります。
- 通知ははがき等の書面のほか、メールなどの電磁的方法でも行えます。送った記録を必ず残しましょう。
- クレジットカードで支払った場合は、カード会社にも同時に通知します。
4. 契約の取消し
クーリング・オフの期間を過ぎていても、勧誘に問題があれば契約を取り消せることがあります。
- 消費者契約法・特定商取引法による取消し:「必ず儲かる」と断定された(断定的判断の提供)、事実と違う説明をされた(不実告知)、不利益な事実を故意に告げられなかった、などの場合。取消しは、誤認に気づいた時から1年以内、契約から5年以内に行う必要があります。
- 民法による取消し・無効:詐欺による取消しや、公序良俗違反による無効を主張できる場合があります。
どの制度が使えるかは事情によって異なります。判断に迷ったら、次の相談先に相談してください。
5. 支払方法ごとの対応
- クレジットカード:すぐにカード会社に連絡し、トラブルの内容を伝えます。一定の条件を満たす分割払い・リボ払いでは、事業者に主張できる理由をカード会社にも主張して支払いを止められる場合があります(割賦販売法の「支払停止の抗弁」)。
- 銀行振込:詐欺の疑いがある場合は、振込先の金融機関と警察に連絡してください。口座が凍結されると、振り込め詐欺救済法に基づき口座の残高から被害額に応じて分配金が支払われることがあります。
- 電子マネー・暗号資産:発行会社・交換業者と警察に、できるだけ早く連絡します。
- 借金をして支払った:借入先への返済義務は原則として残ります。一人で抱え込まず、早めに相談してください。
6. 相談先
- 消費者ホットライン 188:最寄りの市区町村・都道府県の消費生活センターにつながります。事業者との交渉のあっせんを受けられることもあります。
- 警察相談専用電話 #9110:詐欺の疑いがある場合。緊急の場合は110番。
- 法テラス(日本司法支援センター):法制度や相談窓口の案内。収入等の条件を満たせば、無料法律相談や弁護士費用の立替えを利用できます。
- 弁護士会の法律相談センター:各地の弁護士会が有料・無料の法律相談を実施しています。
7. 弁護士に依頼する場合
事業者が返金に応じない場合、弁護士に依頼して交渉や訴訟を行う方法があります。依頼する前に次の点を確認しましょう。
- 着手金・報酬金・実費の金額と、返金が得られなかった場合に負担する費用。
- 事業者の所在が分からない、海外にいる、すでに資金がない場合など、回収が難しいケースがあること。
- 「必ず返金される」「返金率○%」など、結果を保証する説明をしていないか。
返金をうたう業者に注意:弁護士ではない業者(「返金サポート」「調査会社」など)が報酬を得て返金交渉を行うことは、弁護士法に違反するおそれがあります。被害者に連絡してきて費用を払わせる二次被害も起きています。
当サイトでは、弁護士会の会員検索で消費者被害を取扱分野に登録している弁護士を一覧で掲載しています。
8. 関係する法律
- 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号、最終改正 2026年7月23日)
- 特定商取引に関する法律施行規則(昭和五十一年通商産業省令第八十九号、最終改正 2026年5月20日)
- 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号、最終改正 2026年6月24日)
- 電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律(平成十三年法律第九十五号、最終改正 2017年6月2日)
- 消費者契約法施行規則(平成十九年内閣府令第十七号、最終改正 2026年5月20日)
- 消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成二十五年法律第九十六号、最終改正 2023年6月14日)
このページは一般的な情報をまとめたもので、個別の事案について法的な判断を示すものではありません。具体的な対応は消費生活センターや弁護士にご相談ください。